君と始める最後の恋
「それで、郁先輩に偉そうな事言いながら自分の恋愛にはあまりうまくいかないんです。お恥ずかしいお話ですけど。」

「いやいや、私はそんな志織ちゃんに何度も救われてるから問題なし。」


 そう言いながら今後どんな風に小川くんにアピールしていくかを2人で話し合っていた。

 志織ちゃんの恋のお話を不確定な時から話してくれたのが嬉しくて仕方ない。




𓂃𓈒𓂂𓏸




 今日の業務を終わらせて1日の引継ぎを結絃にメールで送って今日の業務が終了する。

 今、結絃は隣のデスクに戻ってきているが、メールでやりとりした方が残って見返せるから良いと言う話になって、必要な連絡事項は急ぎの物以外メールでやり取りする事にしている。

 カタカタとメールを打ち込んでいると、急に肩を叩かれて顔を上げると類くんだった。


「お疲れ。進捗は?」

「お疲れ様です。今、メールを打ち込んで終わりです。どうかしました?」

「そ、じゃあ、君に手伝い頼みたいんだけど、小鳥遊さん借りていい?」

「え、何で郁に…。他の課ですよね。」


 結絃のもっともな指摘に類くんが少し困った表情をする。


「彼女が過去に整理していたところのデータが大量に必要になりそうで、色々聞きたかったんだ。もし厳しそうなら大丈夫なんだけど。」


 猫を被っている類くんが結絃に言うと、納得した様に「なるほど」と言って私の方を見る。


「郁、今日の仕事は?」

「引継ぎのメール送ったし終わったよ。」

「そ、じゃあ、郁が良いなら俺はOKです。」


 結絃がそう言うと、類くんは私の方を見る。

 正直また少しでも一緒に仕事出来るなら補佐の時を思い出して嬉しくなる。

 類くんからしたら効率重視でしかないだろうけれど。


「…私で良いなら。」

「そう、良かった。じゃあちょっと資料室一緒に来て。」


 そう言って類くんは2課にある自分のデスクから、ノートパソコンを持って資料室の方に歩いていく。

 その後ろを追いかける様にして共に資料室に向かった。
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