君と始める最後の恋
 家に着くなり、藍をお風呂に案内して類くんと寝室で話す。

 藍には部屋も案内したし、今日はゆっくり休むのだと思う。


「今日は色々とありがとうございました。」

「仮にも君の妹でしょ。似てないなと思ったけど、やっぱり姉妹なんだな。」

「似てますか?」

「何を考えてるか知らないけど、変に捻くれて素直じゃなくて頑固なの君にそっくりでしょ。」

「やめてください、恥ずかしい。」


 意地悪だ。

 出会いたての時とか嫌な先輩って思っていたから確かに、今の藍みたいな態度を取ってしまっていた事もあったかもしれない。

 私もそれなりに今よりは子供だったし。


「でも頼れるのは良い事じゃん。君ならきっと、家出したいほど困っても、俺にも沙羅にも、水無月さんにも誰にも頼らないでしょ。迷惑掛けるって。」

「うーん、その時にならないとわからないです…。でも、藍ほど縛りが無くて多少お金がある私なら、きっとホテル暮らしとかするんだと思います。」

「彼女がそうならずに済んだのは君がちゃんと可愛がってきた証拠じゃない?」


 そう、なのかな。

 大学入る前に家に居てほしいって泣きじゃくる藍を置いて今まで好き勝手に過ごしてきたから、可愛がってこれたのか分からない。

 むしろ今回みたいに甘えてくる事なんて滅多に無い。
 家出って、何があったのだろう。
 受験のこのタイミングで、もう後1か月と少しもすれば本番で、ただでなくても不安定なこの時期に…。
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