君と始める最後の恋
「…明日、俺は外に出ようかな。」

「え?」

「姉妹2人で話せば。気になるんでしょ。」


 類くんの言葉にほんの少しだけ首を縦に振る。

 確かに藍は家に類くんが居たら何も話せなくなるかもしれない。

 そんな気遣いにいつも救われている。


「類くん、ありがとうございます。」

「ただでなんて言ってないけど?」

「えっ。」


 ただの親切心だと思っていたのに、とんでもないことを言われている。何を言われるのか最早怖い。


「な、何でしょ。」

「君の妹、俺にため口だよね。」

「は、言われてみれば。」


 今日が初の顔合わせだと言うのになんて失礼な…。

 礼儀はあると思っていたけど、今日は失礼な事しかしていない。

 私が謝るのも違う気がして、慌てる。何をどうすれば…。


「いや、ため口がどうこうに腹が立ってる訳じゃなくて、君の妹がため口で、奥さんが敬語のこの状況にモヤモヤしてるんだけど。」


 そう言いながら私の髪を指先で遊んでいる。

 くるくると巻いては解いてと、何度も繰り返して髪が揺れるので少し擽ったい。


「そ、う言われればそうですけど。」

「いつまで敬語で話すの。」

「今更な話題過ぎて…、もう敬語使わずに話すの無理です!」

「家族にはため口だったじゃん。俺も家族じゃないの。」


 家族ですけど!!!!

 先輩後輩から始まってしまうと中々話し方は抜けない物で、付き合っている時も何度か言われたけど、この癖だけは治らなかった。
< 360 / 426 >

この作品をシェア

pagetop