君と始める最後の恋
「…藍、明日帰りな。」

「え…、私まだ帰りたくない。」

「だめ、こんな大事な時期に学校休むなんて。お母さんには、私から話すから、今夜。」


 今まで逃げる事を選んだ罰が当たったんだと思う。
 私が逃げて、そのまま何もしなかったから下が辛い思いをさせられている。今までも私が我慢すれば、で我慢した結果は、何にもならなかった。

 私が何かを言っても変わらない、私が我慢をすればすべて元に戻る。そうやってきた結果、前回も類くんまでも私のこの性格に手を焼くだけで、ツケが回ってきたのだと思う。

 今回ばかりは、私がきちんと逃げずに向き合わなければならない。


「藍は、とりあえず大学受験に集中!後の事は任せて!」

「…大丈夫なの?」

「駄目だった時は…、またその時考えるけど、お母さんも意地悪したい訳じゃないし、話は聞いてくれると思う。」


 幸せになってほしいと思ってやった事の方向性が間違っているだけで、良い母だと思っている。

 父に関しては母のやる事に何も言わないから何を考えているか分からない、けど…、実際問題親戚同士での集まりも座っているだけだし、その状況に何の違和感も無いのだろう。

 それが当たり前で、違和感を持つきっかけも何も無かった。
 それでいいとさえ思っていたのだと思う。
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