君と始める最後の恋
「次は絶対ここですよね。」


 給湯室。誰よりもここに多く通った自信がある。

 類くんのコーヒーを淹れる為にも、嫌な事があった時も、志織ちゃんとこそこそ話すためにも、全部ここで…。


「寂しいですよね、週明けから私がコーヒー淹れられなくなるの。」

「別に、味は誰が淹れても一緒でしょ。」

「ああ!言ってるじゃないですか!私の指には美味しくコーヒーが淹れられる魔法が掛かってるって!」

「…本気でコーヒー飲みたいがために君の事3課に異動してからもお願いしてたと思ってんの?」


 呆れながら言う類くんの言葉の意味が理解出来なくて首を傾げる。

 類くんは生粋のコーヒー好きだし、私が新卒の時からの習慣だったからそれでだと思ってた。

 私も類くんにコーヒー淹れるのは嫌じゃなかったし、むしろ私にしか見られない表情があったりして、その時間が好きだったまである。


「…分からないなら良いよ。本当鈍いポンコツ。」

「ポンコツ関係無いでしょ!」

「鈍いポンコツレッサーパンダ。」

「ああ!まだ言いますか!」


 類くんの真意は結局分からないまま。
 その答えは後になっても教えてもらえていない。
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