君と始める最後の恋
 さっきまで普通だったのに何で、こんな急に。

 思い当たる所が無く、苦笑いして首を傾げると類くんは軽く溜息を吐いた。


「良い度胸じゃない?俺と回ってるのに、どうせ小川からの告白でも思い出してたんでしょ。」

「…!嫉妬?」


 そう言葉に出すと類くんの顔がどんどん怒りを含んだ顔になっていく。

 怒っているのにお顔が可愛すぎてどうしましょ、これ…。
 そんな呑気な事を考えていると、手首を掴まれてグッと壁に押し付けられる。


「(少し強引なのも好き~!)」


 そう悶えたいのに顔を手で隠す事も出来ず恥ずかしい。

 もう明日にはここに来ないのに、また一つここでの思い出が増えてしまった。


「…もう志織ちゃんの彼氏ですし、嫉妬要素ないと思ってました。」

「何年経っても他の男に少しでも気取られるのはムカつく。」

「…私が考えてたのは、小川くんに告白されそうになった私を攫いに来た類くん格好良かったな…、だったんですけど。」


 そう言えば類くんの顔がどんどんと赤くなっていくのを見て、私はニヤニヤと口元を緩ませてしまう。

 何この類くん、可愛い。

 嫉妬する要素なんてない。それなのに勘違いして嫉妬してくれちゃってる類くんが愛おしくて仕方がない。
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