君と始める最後の恋
 不安もあったはずなのに、私を信じてずっと傍に居てくれた類くん。

 色々と考え込んでいると、類くんは優しい笑みを私に向けてくる。


「それでも、君が補佐になってくれてよかったって思う。」


 優しい表情でそんなことを言うから、泣きそうになる。

 最近の私は涙腺が緩いのかもしれない。

 私が言いたいくらいなのに。
 指導係が一ノ瀬先輩でよかったって。


「抱き着いていいですか?」

「そんな涙我慢したバキバキの顔で言わないでよ。」


 呆れてそんな事を言ってくるけど、嫌だという態度はしていない。思い切り抱き着くと避けることもなく、むしろ受け入れてくれる。


「好きです~!大好きです!」

「はいはい。」


 耐えきれず泣く私の頭をポンポンと撫でてくれる。

 お互いに絶対に好きにならない、タイプじゃないって思ってた始まりだったはずなのに、今はもうお互いじゃないと駄目なレベルで惹かれ合っている。

 仕事ではもう支えられないけど、今度は家庭でこの人を支えていく。そんな幸せな事、他にはない。
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