君と始める最後の恋
「プロポーズは?てか付き合ったって出てから早かったよね。結婚まで。」

「それは類くんが…───。」


 そう色々と話していると、茶化す様な声が上がるも類くんは少し不機嫌な顔でお酒を口に運んでいる。

 沙羅さんや充さんにもこの手の話はあまりしたがらない。

 照れ臭いのか、口数もかなり減る。

 この後も私達の事を詰められて、解放されたのは日付を超えてからだった。




──────────☁◝✩




 家に帰ってくると、無理な飲まされ方はしていないけど、お互いに結構飲んだからお酒に酔ってはいた。

 だけど量的には私のかわりに類くんが飲んでくれていたこともあって、ほぼ泥酔状態だった。


「小川くんと志織ちゃん本当にありがとう。家まで類くんを運んでもらって。」

「一ノ瀬さんがこんなに酔うの珍しいですね。2課の飲み会で上手く躱すのに。」

「そりゃ郁先輩の代わりにかなり飲んでたから。」


 寝室に類くんを運んでくれて小川くんが肩を回している。

 志織ちゃんともきちんとうまくやっている様で、2人の雰囲気は変わっていないけど、こう見えて小川くんは志織ちゃんにべたべたらしい。

 何か、意外かも。志織ちゃんの方がべたべたしそうなのに。


「じゃあ、俺達はここで。」

「うん、ありがとう。」

「郁先輩。長くありがとうございました。また会いに来ます!」

「いつでも!こちらこそたくさんありがとう。」


 日付が変わるまで職場の後輩だった2人を見送って、類くんの様子を寝室まで見に行く。
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