君と始める最後の恋
 その後もいつも通り家事をしながら、抱っこ紐をして紬の面倒も見る。

 背負っているだけも中々楽では無くてあらゆるところに負担がかかって身体に痛みを伴う。

 これも中々の重労働な気がするけど、子育ては可愛がって終わりなんかじゃない。

 考え事をしていると玄関先から音が聞こえてハッとした。


「(まずい、もうそんな時間?)」


 ご飯の用意も終わっていなければお風呂の用意も出来ていない。
 慌てて玄関先に出迎えに行く。


「おかえりなさい!」

「ただいま。今日はお疲れ。」


 そう言ってこちらを労わる様な言葉を掛けて洗面所に向かう。

 昼間は、若干八つ当たりみたいな態度を取ってしまって気まずい感じになってしまっている。

 類くんは何も悪くないのに、部長からの言葉でもやもやして嫌な態度を取ってしまっていた。落ち着いたら話をしようと、決心をする。

 手を洗ってリビングに戻ってくると、類くんはご飯も何も出来ていない様子を見ていた。


「…今日は何か頼む?」

「え?」

「しんどくなきゃ外に行っても良いし。たまにはいいでしょ、そういうのも。」


 そう言いながらスーツのジャケットを脱いで提案をいくつか出してくれた。

 その提案は、どういうつもりで言っている?
 本当にただの優しさ?それとも遅さに呆れている?

 最近の私は気持ちの余裕の無さから、類くんの言葉を素直に受け止めきれず色々考え過ぎてしまった。
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