俺様パイロットは容赦なく愛を囁き偽り妻のすべてを奪う
「真由香」
立ち上がった翔さんは、私の頭の先から足の先まで視線を数回往復させた。
「綺麗だ。俺のためにいつも以上に着飾ってくれたと思うと、たまらない」
この人の真っすぐなところは、意地悪でなくて本音なら美徳なのだろう。今はどちらか判別がつかないけれど、何度経験しても慣れることはない。
「あ、あの」
そろそろ出発しようかというところで、私から声をかける。緊張で上ずってしまい、どうしたのかと翔さんが首を傾げた。
「そ、その、私も翔さんにプレゼントを用意したんです。でも、そんなに大したものじゃなくて」
ドレスに靴にバッグに。彼がくれたものと自分の用意したものを比べて、どんどん自信がなくなっていく。
「だから……」
後になればなるほど差し出すにはハードルが上がっていきそうで、出かけのこのタイミングで切りだした。
なかなか動きだせない私の顔に、翔さんが手を添える。そうして、うつむきがちだった顔を上げるように促した。
おずおずと彼へ視線を向けると、翔さんは優しい表情で私を見つめていた。
「そんな必要はないのにと、言うべきなんだろうが。真由香が俺のことを考えて選んだという事実がうれしすぎる」
「え?」
笑みを深めた翔さんに目を見張る。
そんな言い方をされたら、勘違いで浮かれてしまいそうだ。
「ほら、出して」
催促するように、片手をこちらに差し出してくる。
「些細なものだけど」
期待に満ちた視線負けて、後ろ手に持っていたショッパーからプレゼントを取り出した。
「開けてもいい?」
「どうぞ」
包装紙を丁寧に開いていく彼に、言いわけするように話し続ける
「その、贅沢すぎる暮らしをさせてもらっている上に、指輪や今日の服まで……それなのに、私が用意したのはほんのちょっとしたお返しで」
プレゼントとして選んだのは二本のネクタイだ。ひとつは濃紺にシルバーのストライプが斜めに入っているもので、もう一本は落ち着いたライトグレー。ヘリンボーン柄で、フォーマルな場でも着用できる。
ネクタイを取り出した翔さんは、一本ずつ手に取って確認する。その口角が上を向いているから、ひとまずほっとした。
立ち上がった翔さんは、私の頭の先から足の先まで視線を数回往復させた。
「綺麗だ。俺のためにいつも以上に着飾ってくれたと思うと、たまらない」
この人の真っすぐなところは、意地悪でなくて本音なら美徳なのだろう。今はどちらか判別がつかないけれど、何度経験しても慣れることはない。
「あ、あの」
そろそろ出発しようかというところで、私から声をかける。緊張で上ずってしまい、どうしたのかと翔さんが首を傾げた。
「そ、その、私も翔さんにプレゼントを用意したんです。でも、そんなに大したものじゃなくて」
ドレスに靴にバッグに。彼がくれたものと自分の用意したものを比べて、どんどん自信がなくなっていく。
「だから……」
後になればなるほど差し出すにはハードルが上がっていきそうで、出かけのこのタイミングで切りだした。
なかなか動きだせない私の顔に、翔さんが手を添える。そうして、うつむきがちだった顔を上げるように促した。
おずおずと彼へ視線を向けると、翔さんは優しい表情で私を見つめていた。
「そんな必要はないのにと、言うべきなんだろうが。真由香が俺のことを考えて選んだという事実がうれしすぎる」
「え?」
笑みを深めた翔さんに目を見張る。
そんな言い方をされたら、勘違いで浮かれてしまいそうだ。
「ほら、出して」
催促するように、片手をこちらに差し出してくる。
「些細なものだけど」
期待に満ちた視線負けて、後ろ手に持っていたショッパーからプレゼントを取り出した。
「開けてもいい?」
「どうぞ」
包装紙を丁寧に開いていく彼に、言いわけするように話し続ける
「その、贅沢すぎる暮らしをさせてもらっている上に、指輪や今日の服まで……それなのに、私が用意したのはほんのちょっとしたお返しで」
プレゼントとして選んだのは二本のネクタイだ。ひとつは濃紺にシルバーのストライプが斜めに入っているもので、もう一本は落ち着いたライトグレー。ヘリンボーン柄で、フォーマルな場でも着用できる。
ネクタイを取り出した翔さんは、一本ずつ手に取って確認する。その口角が上を向いているから、ひとまずほっとした。