さくらびと。美桜 番外編(2)
近くのカフェに入り、注文したコーヒーが運ばれてくるまでの間、僕らは互いの近況を語り合った。





美桜は文学部で古典文学を専攻していること、趣味で舞踊を習っていること。






そして、京都出身ということ。






僕は医学生であることの苦労や楽しさ、幼い頃から人体の構造に興味を持っていた理由などを話した。










話せば話すほど彼女への興味が膨らんでいく。これまでの人生で感じたことのない感覚だった。








カフェを出る頃にはすっかり日が落ちていた。二人並んで歩く道すがら、美桜がふと足を止めた。








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