さくらびと。美桜 番外編(2)
「看護師さんに迷惑かけたくないから……毎日じゃなくてもいいよ」





一瞬沈黙が流れた。





裕紀の表情が凍りつくのを見て美桜は慌てた。






「あ、違うの。来てくれるの嬉しいんだよ?でもね……」








言葉を選ぶように慎重に続ける。






「裕紀の将来も大事にしてほしい。私のせいで医者の夢を諦めさせたくないの」







「馬鹿なこと言うな」







予想外に厳しい口調で遮られ美桜は驚いた。






裕紀の目に怒りのようなものが宿っている。





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