ぜんぶ、ちょうだい。



「俺のことはもういいとしてさ」



軽い口調で、話題を切り替える。



「先輩とは、どうなってんの?」

「あー……えー……」



頭を掻きながら、修学旅行明けからの経緯を話す。
避けまくって、告白して、振られて、文化祭を迎えて、今日。

全部聞き終えた清水は、呆れたように一言。



「……先輩、かわいそー」

「え?」



……いやいや。

もとはといえば、
清水のせいなんだけどね?



「お前らしいっちゃ、らしいけどさ」



清水は、呆れたように肩をすくめた。



「俺が先輩だったら、正直イライラするだろうなー」

「え、なんで?」

「そりゃさ」



少しだけ真面目な声になる。



「あんだけ好き好き言ってきたくせに、その程度かよって思うよ」



ぐさっ。



「吉川ってさ。俺のこととか気にせず先輩のとこ行くくせに、そういうときに限って、行かねーんだな」

「だ、だってそれはさー!」



言い返そうとして、言葉に詰まる。


< 169 / 228 >

この作品をシェア

pagetop