ぜんぶ、ちょうだい。
「俺のことはもういいとしてさ」
軽い口調で、話題を切り替える。
「先輩とは、どうなってんの?」
「あー……えー……」
頭を掻きながら、修学旅行明けからの経緯を話す。
避けまくって、告白して、振られて、文化祭を迎えて、今日。
全部聞き終えた清水は、呆れたように一言。
「……先輩、かわいそー」
「え?」
……いやいや。
もとはといえば、
清水のせいなんだけどね?
「お前らしいっちゃ、らしいけどさ」
清水は、呆れたように肩をすくめた。
「俺が先輩だったら、正直イライラするだろうなー」
「え、なんで?」
「そりゃさ」
少しだけ真面目な声になる。
「あんだけ好き好き言ってきたくせに、その程度かよって思うよ」
ぐさっ。
「吉川ってさ。俺のこととか気にせず先輩のとこ行くくせに、そういうときに限って、行かねーんだな」
「だ、だってそれはさー!」
言い返そうとして、言葉に詰まる。