ぜんぶ、ちょうだい。
「隣が似合うとか、似合わないとかさ。そんなの、吉川が決めることじゃねーじゃん?そもそも、お前に決定権あると思うなよ」
「……。」
「それにさ、泉先輩、俺より器でかいかもしんねーだろ」
「……それは、そう」
「お前な、俺より器の大きい男が、この先現れると思うなよ!」
「いや、どっち!?」
思わずツッコミを入れると、清水はふっと息を吐いた。
何も言わずに、私のチョコバナナの棒を受け取ってくれる。
「……ありがと」
そう言うと、清水は立ち上がった。
「なあ。今日、文化祭だってこと、忘れてね?」
「……忘れてないですけど」
「だったらさ」
私を挑発するみたいに、にやっと笑う。
「早く先輩のとこ行ったほうがいい。ほかのやつに取られてもいいなら、ここにいれば?」
心臓が、どくんと鳴った。
……ずるい。
こんなの、行くしかないじゃん。
清水って、ほんと。
いい友達だよ。
私は、ぐっと拳を握って、前を向いた。