ぜんぶ、ちょうだい。
先輩。
だいすき。
大好きですよ。
私の言葉――
ちゃんと、聞いてくださいね。
マイクを持つ手が、少し震える。
それでも、私は深く息を吸って。
――口を、開いた。
「泉せんぱーーーーい!!!聞いてますかーーー…!」
手が、震える。これでもかってくらいに、細かく震える。
ステージの下を必死で見渡すけど、先輩の姿はどこにもなくて。
それでも、私はマイクを握りしめた。ぎゅっと、指の力が痛くなるくらいに。
声に、思いを全部乗せて――
「…私、やっぱり先輩のことが大好きです…!」
先輩、今、どこにいるの?
私の声、届いてる?
「どれだけ無視されても、冷たくされても、泉先輩しか好きになれません…!」
走馬灯みたいに、先輩の顔が浮かんでくる。
無表情の、仏頂面だったり。
クスって笑う顔だったり。
辛そうな顔も、全部。
気づいたら、ポロポロと涙が溢れてくる。
私、泉先輩が好きですよ。
「私、ほんとは…初めてのキスは先輩が良かったっ…!」
泉先輩だけが、好きです。
「初めてじゃなくてもっ…これからもっ…先輩だけがよかったっ…!!」
…泉先輩じゃないと、嫌だったんですよ。