ぜんぶ、ちょうだい。



「当日に言われても困るだけじゃん!?それに、私自身、誕生日なの忘れてたし!一緒にいられるだけで、もう十分幸せもらってるんだから。だから、いーの」



そう言うと、ひまちゃんはまた大げさに首を振った。



「えー、やっぱ勿体なーい。私だったら、プレゼントねだるけどなー」



……強欲ですよ。


いいの、いいの。
そんなの、いりません。

泉先輩のこと、困らせたくないし。



「せめて、一緒に帰るくらいはしたら?というかさ、誕生日教えないと、先輩怒るんじゃない?」



ひまちゃんの言葉に、私は思わず首を傾げた。



「えぇ?怒るってことは、ないと思うなあ」



なんで俺に教えてくれなかったの?
……って、怒る?

頭の中で想像してみるけど、どうしてもその光景が浮かばない。


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