子供ができていました。でも、お知らせするつもりはありませんでした。
「有名?」
「そうよ~。あのとおり若くして海外業務に就く、有能なイケメンじゃない。でも独身なのよ。で、早く結婚しろとご両親からせっつかれているという噂よ」
そんなことを先輩からきかされて、なんとなく美月は思う。
(親の気持ちはわからなくもないけど……)
(それって、本人は仕事が忙しくて恋愛する暇がないって、やつじゃない?)
なぜそう思ったのか、それは美月の目の前でプレゼンする佑の姿がカッコよかったから。
外国人相手に受け答えする様から語学は堪能なのはもちろん、欧州人と並んでも引けを取らないオーラが彼にはある。体格では絶対アジア人では不利なはずなのに、だ。
優秀な創業家一族を絵に描いたような姿、そのまんまであった。
(それに、創業家なら御曹司ってことかしら?)
(御曹司でこのルックスだったら、ほっておいてもモテまくりだろうな~)
(意外とまだ業界では政略結婚なんかが現存していて、それを回避するために仕事に没頭しているとか……)
恋愛小説にありそうなシチュエーションを想像して、とりあえず佑のことはそれで終わった。一方的に美月が遠くから彼の姿を拝見して終わったのだった。
こんな具合に、佑とは話をするどころか目が合うこともなかった。
だが、神様の悪戯だろうか?
ビジネスショーが終わり、雨の中で濡れそぼる佑はプレゼンのときとは真逆であった。そんな佑を偶然、美月は見つけてしまい、そのギャップにひどく驚いたのだった。
普通なら、雨に濡れるこの彼が、本当にさっきみた日本人とは限らないと警戒するだろう。しかし、そんな疑問は美月の中にわき起こらない。
早くしないと風邪をひいてしまう、そんなことしか頭になく居ても立っても居られず、美月は自分の傘の中に佑を招き入れた。
「そうよ~。あのとおり若くして海外業務に就く、有能なイケメンじゃない。でも独身なのよ。で、早く結婚しろとご両親からせっつかれているという噂よ」
そんなことを先輩からきかされて、なんとなく美月は思う。
(親の気持ちはわからなくもないけど……)
(それって、本人は仕事が忙しくて恋愛する暇がないって、やつじゃない?)
なぜそう思ったのか、それは美月の目の前でプレゼンする佑の姿がカッコよかったから。
外国人相手に受け答えする様から語学は堪能なのはもちろん、欧州人と並んでも引けを取らないオーラが彼にはある。体格では絶対アジア人では不利なはずなのに、だ。
優秀な創業家一族を絵に描いたような姿、そのまんまであった。
(それに、創業家なら御曹司ってことかしら?)
(御曹司でこのルックスだったら、ほっておいてもモテまくりだろうな~)
(意外とまだ業界では政略結婚なんかが現存していて、それを回避するために仕事に没頭しているとか……)
恋愛小説にありそうなシチュエーションを想像して、とりあえず佑のことはそれで終わった。一方的に美月が遠くから彼の姿を拝見して終わったのだった。
こんな具合に、佑とは話をするどころか目が合うこともなかった。
だが、神様の悪戯だろうか?
ビジネスショーが終わり、雨の中で濡れそぼる佑はプレゼンのときとは真逆であった。そんな佑を偶然、美月は見つけてしまい、そのギャップにひどく驚いたのだった。
普通なら、雨に濡れるこの彼が、本当にさっきみた日本人とは限らないと警戒するだろう。しかし、そんな疑問は美月の中にわき起こらない。
早くしないと風邪をひいてしまう、そんなことしか頭になく居ても立っても居られず、美月は自分の傘の中に佑を招き入れた。