キミの隣は俺の場所
午前中の授業が終わると、担任の先生が教卓から声をかけてきた。


 「一ノ瀬さん、学校の案内まだでしょ? 同じ班の……そうだな、碓氷、お前お願いできる?」


 「えっ……!」

 びっくりして思わず声が出たのは私だけじゃなかった。


 教室のあちこちから「えー碓氷!?」「あの人が……?」と、ざわめきが起こる。


 彼は、小さく舌打ちした。


 「……は?」
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