キミの隣は俺の場所
 「頼んだぞ。ほら、隣の席だし、ちょうどいいだろ」


 「俺、そういうの向いてねぇんで」


 「はいはい、文句は放課後に聞いてやるから」


 先生は冗談交じりに笑いながら黒板に戻っていったけれど、教室はまだざわついたままだ。


 私は、そっと楓の横顔を見る。


 彼はあきらかに不機嫌そうで、何も言わずに教科書を閉じた。


 (……どうしよう。気まずすぎる)


 私が昨日のことを話したせいで、変な空気になっちゃったのかも。


 それとも、もともとこういう人……?
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