キミの隣は俺の場所
部屋の窓から、夜空が静かに広がっていた。


桜の花びらが風に揺れる音が、遠くから聞こえる。


布団に包まりながら、私はそっと目を閉じる。


楓のことを考えると、胸がじんわり熱くなった。


「なんでだろう…」


私の心は、いつもより少しだけざわついている。


あの強くて冷たい彼の瞳の奥に、優しさがあること。


自分でも驚くほど、その存在が気になって仕方ないこと。


「これって……恋、なのかな?」


小さな声でつぶやいて、私の頬が熱くなる。


それでも、その気持ちを否定したくなかった。


初めて、自分の心に素直になれた夜だった。
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