キミの隣は俺の場所
玄関のチャイムが鳴った。


「陽菜、準備できたか?」

楓の低くて優しい声が廊下に響く。

急いでドアを開けると、ヘルメットを手にした楓がニッコリ笑っていた。

「うん、待ってたよ!」


私はワクワクしながらヘルメットを受け取る。


「じゃあ、気をつけてな」


楓がそう言ってバイクのエンジンをかけると、力強い振動が伝わってくる。


後ろにそっとまたがると、楓の腕がぎゅっと腰を包んだ。


風が髪を揺らし、胸のドキドキが止まらない。

「海、楽しみにしててな」


楓の囁きに、私は小さくうなずいた。
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