キミの隣は俺の場所
家の前にバイクを止めた瞬間、楓の動きがふと鈍くなった。


「楓くん、大丈夫?」


陽菜がすぐに声をかける。


楓はフラフラとバイクから降りようとしたが、足元がおぼつかない。


「ちょっと…熱があるかもしれない」


ぽつりと弱々しくつぶやいた。


陽菜は慌てて彼の腕を支え、体を支えるように抱き寄せた。


「無理しないで、ゆっくり歩こう」


楓は少し困ったように笑いながらも、陽菜の腕に頼るように歩き出した。


その普段強い彼の弱さに、陽菜の胸がギュッと締めつけられた。
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