キミの隣は俺の場所
楓の呼吸が少し荒くなり、眉間に痛みが走るようにしかめた顔をした。


「陽菜…ごめん、迷惑かけて…」


声はかすれていて、それでも俺のことを気遣う優しい響きが胸に刺さった。


「そんなことないよ、無理しないで」


私は強く彼の手を握り返し、目を見つめる。


楓はふっと息を吐き、少し息苦しそうに言った。


「頭いてぇ あと、く、るし」


その言葉に、胸がぎゅっと締め付けられる。


「絶対、元気になるまで看病するからね」


彼はかすかに微笑み、弱々しくも確かな温もりを私に伝えた。

「陽菜がいてくれて、本当に良かった」

その言葉が、心にじんわりと染み渡り、自然と涙があふれそうになった。
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