キミの隣は俺の場所
私は涙をこらえながら、楓の額に手を当てた。
熱い。想像以上に体温が高い。
「…すぐに冷やすもの持ってくるね」
席を立とうとした瞬間、彼の手が私の指をぎゅっと握り返した。
「もう少しだけ……ここにいて」
掠れた声に、心が張り裂けそうになる。
本当は苦しいはずなのに、私を引き止めようとするなんて。
私はもう一度座り直し、そっと彼の手を包み込んだ。
「うん。ずっと、ここにいるよ」
楓の目がゆっくりと閉じていく。
でもその口元には、安心したような微かな笑みが残っていた。
私は静かに深呼吸し、彼の寝顔を見つめた。
こんなにも無防備で、頼ってくれている楓を前にして、
私が泣いている場合じゃない。
「楓、大丈夫。絶対に良くなる。だから――」
小さな声で、そっと囁いた。
「また一緒に、笑おうね」
カーテンの隙間から差し込む夕陽が、二人を静かに包んでいた。
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