年上彼女と年下俺様
そして業者さんがピアノやら何やらを運び終えた後、空っぽの部屋にあたしと響だけになった。



「この家ともお別れか…。」

「買い手は見つかったんでしょ?」

「まぁな。でもここで里佳チャンと初めて…。」

「何思い出してんの!!恥ずかしいからやめてよ…。」

「あん時は結婚なんて考えてなかったしなぁ~。ヤれればよかった。」



それ、酷くない?



でも思い出がいっぱいのマンションだ…。



「最後に思い出作ってく?」

「えっ!?カーテンもナイのに!?」

「この高さは他から見えねぇっしょ。」



ウソっ…。



でもそんなバカみたいな事も響とならアリかな?



「里佳っ…。」

「待ってっ…。」

「ムリ。」



くぅ~~~!!



何か泣けて来るっ!!



響も少し寂しそうな顔…。



このマンションでの生活、いっぱい楽しかったよ。



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