完璧な社長は、私にだけ素顔を見せて溺愛する
第2話 深夜の画面共有
月曜日の朝。私はいつものように黒のパンツスーツに身を包み、フューチャーリンクの会議室にいた。
前髪をすっきりと横に流し、背筋を伸ばして座る姿は、昨日の婚活パーティーでフレアスカートを履いていた私とは別人のようだ。
「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます」
桐原圭佑が、いつものようにネイビーのオーダースーツを着こなして会議室に入ってくる。
彼の後ろには、KIRIHARA TECHの開発チームのメンバーが続いた。
私たちの視線が一瞬交わる。彼の表情はいつもの通り冷静沈着だが、その瞳の奥に昨日とは違う何かが宿っているのを感じた。
日曜日の出来事が、お互いの中で微妙な変化をもたらしているのは明らかだった。
「それでは、新システム導入についてご提案させていただきます」
桐原社長の部下が、資料を広げ始める。
私は手元のタブレットを確認しながら、プロジェクトマネージャーとしての仕事に集中しようと努めた。
でも、どうしても彼の存在を意識してしまう。
いつもなら平常心で臨める会議なのに、今日は妙にそわそわしている自分がいる。