完璧な社長は、私にだけ素顔を見せて溺愛する
帰り道、圭佑さんは私の手を握ったまま離さなかった。
「梓、ありがとう」
「何がですか?」
「君が、俺を選んでくれたこと。そして、両親の前で堂々と話してくれたこと」
圭佑さんの声が少し震えていた。
「あの時の君、本当に輝いていた。俺は改めて、君を深く愛していると確信した」
「私も、圭佑さんを愛しています」
私たちは、駅のホームで抱き合った。周りの人の視線など、もう気にならなかった。
◇
それから九ヶ月が過ぎた。
私たちは順調に交際を続け、お互いの家族とも何度も食事を重ねた。
圭佑さんは私の両親にも何度も会いに来てくれて、父も母も彼のことを気に入ってくれた。
そしてクリスマスの夜、圭佑さんは私と初めてデートした映画館に連れて行ってくれた。
「懐かしいですね」
私が言うと、彼は微笑んで答えた。
「あの時から、俺は君にプロポーズしたいと思っていたんだ」
映画が終わった後、彼は私を屋上の展望台に連れて行ってくれた。
東京の夜景が、宝石のように美しく輝いている。クリスマスのイルミネーションが、街を幻想的に彩っていた。
「梓」
圭佑さんが突然、私の前に片膝をついた。