完璧な社長は、私にだけ素顔を見せて溺愛する
「え?」
周りにいた人たちも、私たちに注目し始める。
「改めて、俺と結婚してください」
彼の手には、美しいダイヤモンドの指輪が光っていた。
「君だけの特別な指輪です。世界に一つだけの。君との出会いを、永遠に刻みたくて」
私は涙が止まらなくなった。
「はい。喜んで、お受けします」
指輪をはめてもらった瞬間、周りから祝福の拍手が起こった。
私たちは深くキスを交わし、圭佑さんは私を優しく抱きしめた。
「梓は、俺の人生で一番大切な宝物だ」
「私もです。あなたが私の人生を変えてくれました」
クリスマスの夜空に、雪が舞い始めた。
それはまるで、私たちの新しい門出を祝福してくれているようだった。
◇
それから半年後、私たちは結婚式を挙げた。
初夏の陽射しが降り注ぐチャペルで、白いウエディングドレスに身を包んだ私は、バージンロードを歩いている。
父の腕に支えられながら、一歩一歩前へ進む。
祭壇の前には、タキシード姿の圭佑さんが待っている。
彼の眼差しは、私だけを見つめていた。まるで、世界に私しかいないかのように。
「梓、綺麗だ……」
私が祭壇にたどり着くと、圭佑さんが囁いた。
「今日から君は、俺だけのものだ」
その言葉に、私の頬が赤くなった。