幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
しかし返答はNOだった。
私は訊ねた。
「どうして? 今のお姉ちゃんなら私がいなくても大丈夫でしょ」
「ダメよー、望凪に辞められたら困っちゃう。実はね、オファーを受けてエッセイを出さないかって言われたの!」
「エッセイ? すごいじゃない」
聞けばオファーを受けた出版社は私も知っている、SNSからの発掘に力を入れている出版社だ。
しかもSNSマーケティング戦略に強いリーチャーズ株式会社が全面プロデュースをしてくれるという。
まだ創立して間もない会社だが、独自の戦略で業績を右肩上がりに伸ばしているらしい。
「社長が若くてイケメンなんだよね〜」
「そうなんだ。すごいね」
「でしょ! だからね、望凪に辞められたら困るのよ〜」
言っている意味がよくわからなかった。
エッセイを出すことと私と何が関係するというのだろう?
「どういうこと?」
「だからぁ、望凪があたしの代わりにエッセイ書いてよ」
「え……」
思わず言葉を失った。
お姉ちゃんはペラペラと喋り続ける。
「ほらぁ、昔自分で小説書いてたじゃない? 望凪らしい地味な小説」
「それは……」
「ぶっちゃけ望凪程度じゃ本を出すなんて夢のまた夢だと思うけど、あたしの名前で本を出したら注目間違いないし、めっちゃ売れるかもしれないのよ!」
「……」
「もちろん印税は望凪にも払うからぁ。ね、いいでしょ?」