幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜


 こうして私はお姉ちゃんのゴーストライターとなった。
 お姉ちゃんと相談しながらエッセイの原稿を書き進め、SNSの投稿も続けている。

 やっぱり文字を綴ることは楽しい。
 そしてこの言葉がいつか一冊の本になるというのに、私の心は書くごとにすり減っていく。

 本当はゴーストライターなんてやりたくない。
 私は私として、鴇田望凪として綴りたかった。

 だけど、「望凪」では誰にも見向きもされない。
「sana.」という名前を借りなければ、私は存在できない。

 そう思うと苦しくて――それでも書かずにはいられなくて。
 一文字一文字書く度に、魂を削っているような感覚だった。


「……本当に幽霊みたい」


 お姉ちゃんは私に何もかも丸投げし、自分は好き勝手に楽しんでいる。
 いつの間にかマネージャーみたいなこともさせられるようになっていた。

「自分はスケジュール管理が苦手だけど、望凪はしっかりしてるから頼りになるよね」なんて甘い言葉を囁き、全部私に押し付けて自分は優雅に遊び歩いている。

 一度お姉ちゃんにこんなことまでやりたくないと言ったら、お姉ちゃんには泣かれて両親には叱られた。
「どうしてそんなイジワルをするんだ。助け合ってこそが姉妹だろう」と。


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