幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
美鶴くんと再会してから二週間が過ぎた頃、ついに原稿が完成した。
まずはお姉ちゃんに完成原稿を見せた。
「遅かったじゃない。締切ギリギリなんだけどぉ」
「ごめん、何度も推敲してたから」
「まっ、間に合ったからいいけどぉ。今度担当さんと打ち合わせするから望凪も来てね」
「えっ、私も?」
「当然でしょー? 書いたのは望凪なんだしぃ」
「いやでも、お姉ちゃんのエッセイだよね?」
もしかしてお姉ちゃん、エッセイを私の名前で出そうとしてくれているのだろうか。
一瞬淡い期待を抱いてしまったが、甘い考えだった。
「そうだけど、あたしが書いたわけじゃないから指摘されてもよくわかんないもん。妹がマネージャーとして同席しますって言ってあるから、コムズカシイことはお願いね」
「ああ、そういう……」
お姉ちゃんは私にとことん押し付けるつもりなのだ。
面倒なことは全部やらせて、自分は甘い蜜だけ吸おうとしている。
「打ち合わせはこの日だから」
「えっ、急に言われても困るよ。シフトがあるのに」
「副店長でしょー? シフトなんてどうにでもなるじゃん。誰かに代わってもらってよ」
副店長だからといってシフトを好きに変えられるわけではない。
私にだって都合があるのに、どうしてそんなに自分勝手なの?
「……っ」
そう言い返したいのに、口を噤んでしまう。