幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
お姉ちゃんはうっとりと鏑木社長に見惚れている。
よくも我が物顔ができるものだと、この数十分間で何度思ったことだろう。
「ええ、驚きましたね。sana.さんの印象とはだいぶ違いましたから」
「あら、そうですか? 社長から見て私ってどんな印象ですか?」
お姉ちゃんはおもちゃをねだる子どものような視線で見つめている。
もっと褒めて、私を褒めて、と言いたいのが表情だけで伝わる。
「そうですね、相手を慮ることができない自分本位な人でしょうか」
柔らかな物腰とは裏腹な辛辣さに、思わずその場にいた全員が凍りついた。
今の発言は鏑木社長のものなのか、耳を疑った。
流石のお姉ちゃんもポカンとしている。
社長は穏やかな口調のまま続けた。
「他人を見下すことがお好きなのだと思っていましたので、エッセイでは謙虚な姿勢が意外でしたね」
「や、やだぁ。社長ったら何を言ってるんですかぁ」
お姉ちゃんのこめかみがピクピクと動いており、笑顔は引き攣っている。
「ああ、すみません。日頃から影響力のあるインフルエンサーは注目していましてね。sana.さんは特に悪い方での影響力が大きくて」
「しゃ、社長! 何を仰っているのですかっ」
たまらなくなったようで、SNS担当者が青ざめながら声をあげた。
「sana.さんは二十代、三十代から絶大な支持を集めるカリスマインフルエンサーですよ!?」
「そ、そうですよー。昔はちょっと炎上したこともありましたけどぉ」