幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
その場に居合わせた人たちなのか複数の男性に囲まれた中心で、お姉ちゃんは甲高く笑っていた。
《あたしの代わりに妹がなんでもやってくれるの! 今頃エッセイの原稿も書いてんじゃない?》
《えー紗凪ちゃんはこんなとこいていいのー?》
《へーきへーき! 全部妹に押し付けちゃえばいいのよ! 字書くことくらいしか能がないんだからぁ》
お姉ちゃん……、そんな風に思っていたんだ。
私が頭を使って必死に書いている時、お姉ちゃんは派手に遊んで私の悪口を言っていたんだね。
私はどこか冷静な頭でその動画を見ていた。
「ち、違うんですぅ! これは、ちょっとしたおふざけっていうか……っ」
お姉ちゃんは必死に言い訳しようとするが、もう遅い。
編集さんもSNS担当さんもお姉ちゃんに向かって白い視線を向けている。
鏑木社長は冷ややかにいった。
「不倫までしておふざけとは、度が過ぎますね。しかもこの原稿は、ご自分で書かれたものではない」
「違うの! 妹はアドバイスしてくれたり添削してくれてただけで! ちゃんとあたしが書いてますっ!」
お姉ちゃんは私に向かって「話を合わせろ」と言わんばかりに見つめる。
この状況でまだ私に助けを求める図太さがあるんだ。
私の中で何かがプツンと切れた。
「いえ、この原稿は姉の指示ですべて私が書きました」