幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
美鶴くんは意外と「かわいい」って褒めてくれる。
髪型を変えたらすぐに気づいてくれるし、お姉ちゃんに取られたピンクのワンピースも「すごくかわいくて似合うね」って言ってくれた。
妹を褒めるみたいな感覚で言ってくれてるのだと思っていたけど、今言われると照れ臭い。
「私もうアラサーだよ?」
「いくつになっても望凪ちゃんはかわいいよ」
美鶴くんがすごく真面目に、真顔で言い切るからもっと照れ臭くなってしまう。
「や、やだなぁ……」
美鶴くんはすごく変わったと思っていたけど、こういう真っ直ぐなところは全然変わっていない。
それが嬉しくもあり、むず痒くもある。
なんか変だな……。
この前カフェで話した時は全然緊張しなかったのに、今日はなんだか――美鶴くんにすごくドキドキしてる。
心臓がうるさいのを隠すように、話題を変えた。
「ところで美鶴くん、お姉ちゃんのことはどうやって?」
「ああ、今更だけど勝手なことしてごめん」
「ううん、それは全然。お姉ちゃんにはいいクスリになったと思うから」
あれからお姉ちゃんはずっと抜け殻のようになっている。
鵜久森さんの奥さんから慰謝料を請求された上、不倫や遊び歩いていた事実を週刊誌に横流しされたものだから大変なことになっている。
今まで積み上げてきたものが一瞬にして崩れ落ちたのだ。
まあ、こんなことは言いたくないけど自業自得だ。
当然エッセイの出版もなくなった。