幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
急に聞かれて少し戸惑いながら、うーんと首を捻った。
「社長さんとしてメディアに出るから?」
「それもある。リーチャーズは大学時代の友人と立ち上げたんだけど、身なりをどうにかしろと散々言われたんだ。それなりに身なりを良くすれば、初恋の人にも振り向いてもらえるんじゃないかって焚き付けられて」
「えっ」
美鶴くんの初恋の人!?
想像もしてなかった返答に面食らってしまう。
美鶴くん、好きな人がいたの?
昔はそんな話一度もしたことがなかったから知らなかった。
いや、別に驚くほどのことではないと思うけれど。
「そ、そうだったの。その初恋の人には振り向いてもらえた?」
あれ、自分で聞いておきながらどうして心の中がモヤモヤするんだろう――。
美鶴くんは昔から優しくて素敵な人だし、今はこんなにも優秀でカッコいい社長さんなんだからフラれるなんてことはないはずだ。
それをわかっていながら胸の奥に棘が刺さったような気持ちになる。
「これから口説くつもりなんだ」
「そうなんだ……美鶴くんみたいな素敵な人に想われて嫌な人はいないと思うけどね」
自分で言っていて、胸の奥がキリキリする。
それでも必死に笑顔を浮かべた。
「望凪ちゃんもそう思う?」
「うん、思うよ」
「そう、よかった」
何故か美鶴くんはふっ、と安堵したように笑った。