解けない魔法を このキスで
「はあー、もう、夢の世界に来たみたいね」
うっとりとため息混じりに呟く未散に、美蘭も頷く。
あのあとまずはプールに行ってみたところ、スタッフに新作の水着を勧められ、着替えて泳いでいると、プールサイドにローストビーフのクラブサンドとノンアルコールカクテルが運ばれてきた。
プールから上がるとエステに行くよう促され、スパで身体をほぐしてからエステティシャンに全身ピカピカにしてもらった。
次はブティックに行くように言われ、勧められるまま上質のドレスに着替えると、サロンに連れて行かれてヘアメイクを整えてもらう。
そして最後にネイルサロンで、爪を磨いてもらっているところだった。
「あれよあれよという間に、色んな人にされるがまま。なんだかもう、女王様の日常体験って感じ」
「あはは! 確かにね。未散ちゃん、すごくゴージャスな装いだもん」
未散はラメ入りのブラックのノースリーブドレスで、胸元は深いV字になっている。
髪も夜会巻きで大人っぽい雰囲気だった。
美蘭はワインレッドのベルベットワンピースで、オフショルダーの七部袖。
ヘアスタイルはハーフアップで毛先を軽く巻いていた。
ネイルも秋色でシックに施してもらい、ようやくスイートルームに戻る。
「はあ、なんだかまだ夢見心地」
そう言って未散がソファに背を預けて座った。
「いや、ますます夢見心地だわ。だってこの部屋だもん」
「ふふっ、うん。そうだね」
美蘭も向かい側に座り、ようやく人心地つく。
「でも色々参考になったな。さすがは一流のホテルだね。このドレスも、ヘアメイクもネイルも、すごくセンスがいいし上品だもん」
ふと思い立ち、タブレットを取り出すと、美蘭はデザインを描き始める。
「おっ、スイッチ入っちゃいましたか?」
未散が声をかけても返事はない。
「入っちゃいましたねー。ポチッとな」
こうなってはもうどうしようもない。
未散はコーヒーでも淹れようと立ち上がった。
うっとりとため息混じりに呟く未散に、美蘭も頷く。
あのあとまずはプールに行ってみたところ、スタッフに新作の水着を勧められ、着替えて泳いでいると、プールサイドにローストビーフのクラブサンドとノンアルコールカクテルが運ばれてきた。
プールから上がるとエステに行くよう促され、スパで身体をほぐしてからエステティシャンに全身ピカピカにしてもらった。
次はブティックに行くように言われ、勧められるまま上質のドレスに着替えると、サロンに連れて行かれてヘアメイクを整えてもらう。
そして最後にネイルサロンで、爪を磨いてもらっているところだった。
「あれよあれよという間に、色んな人にされるがまま。なんだかもう、女王様の日常体験って感じ」
「あはは! 確かにね。未散ちゃん、すごくゴージャスな装いだもん」
未散はラメ入りのブラックのノースリーブドレスで、胸元は深いV字になっている。
髪も夜会巻きで大人っぽい雰囲気だった。
美蘭はワインレッドのベルベットワンピースで、オフショルダーの七部袖。
ヘアスタイルはハーフアップで毛先を軽く巻いていた。
ネイルも秋色でシックに施してもらい、ようやくスイートルームに戻る。
「はあ、なんだかまだ夢見心地」
そう言って未散がソファに背を預けて座った。
「いや、ますます夢見心地だわ。だってこの部屋だもん」
「ふふっ、うん。そうだね」
美蘭も向かい側に座り、ようやく人心地つく。
「でも色々参考になったな。さすがは一流のホテルだね。このドレスも、ヘアメイクもネイルも、すごくセンスがいいし上品だもん」
ふと思い立ち、タブレットを取り出すと、美蘭はデザインを描き始める。
「おっ、スイッチ入っちゃいましたか?」
未散が声をかけても返事はない。
「入っちゃいましたねー。ポチッとな」
こうなってはもうどうしようもない。
未散はコーヒーでも淹れようと立ち上がった。