素直になれないふたり

　しかし、国内トップの女子大なだけあって、優秀な子の集団なので、落ちこぼれるのもあっという間。
　ある日、一人で街を歩いていたら、雑誌社の人に写真を撮らせてほしいと言われ、それがきっかけで読者モデルを始めることになった。
　同じ大学の子たちは、優秀だが地味な子が多い。
「私もあの雑誌読んでるけど、声かけられるなんて凄いね！」
　学校の友達はそう言ってくれて、知性では決して勝てない私は、楽な方へと流された。
　短大生で、同じく読者モデルのサチとアユと意気投合。
　彼女らとバカ騒ぎをして過ごしていると、自分が大学では落ちこぼれであることを、束の間、忘れられた。
「えー、Ｚ女子大なんて、めっちゃ頭いいじゃん！」
　読者モデル仲間には言われたが、まさか落ちこぼれなんて口が裂けても言えやしない。
　サチとアユの二人は、パッと見はそこまで派手ではないものの、中高生の頃から遊び慣れているタイプ。