素直になれないふたり
最後のサーフホリデー
 それは、6人全員で飲んでいた時のことだった。
 すっかり酔った男の子の一人が、
「ショボい会社だと、パワハラ上司も普通にいるし、やってらんねー!と思って辞めてやった!」
 そんな愚痴を言い始めたのだ。
「パワハラ上司?まだ学生なのに?」
 サチが尋ねると、彼は急に黙ってしまった。
 おかしいと思った私たちは、男の子たちをじっと見た。
 誰もが目をそらし、最初に墓穴を掘った男の子は、話までそらそうとした。
「ちょっと⋯⋯あんたたち、医学生って嘘だったわけ!?」
 サチが声を荒げたが、三人とも無言。
「騙してナンパするとか、ありえない!この大噓つき!」
 アユも彼らを詰った。
 すると、男の子の一人が開き直り、
「あーそうだよ!医学生だって言えば簡単に股を開きそうに見えたからな。お前らこそ、CAなんてどうせ嘘だろ?この数日間、サチと一緒に過ごしてみて、言動で絶対に違うって気づいたから」
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