素直になれないふたり
「つまらない嘘なんかつかずに、本当の自分をさらけ出して、何の偽りもない俺のことを見てほしかった。トーコが、遊んでるような子じゃないってことを知って、尚更そう思ったんだ。俺がもっと自分に自信を持ててさえいれば、最初からトーコのことを傷つけることもなかった⋯⋯。6年も経ったのに、未だに悔やみ続けてるなんて、あまりにもバカだろう?」
「だけど、今までに一度だって、そんな言動はなかったじゃない。ジローのほうこそ、あの夏のことなんて、もうとっくに忘れてると思ってたのよ」
私の腕をつかんだままの手からは、何故か熱を感じる。
その手の熱さは、私のことを離したくないという叫びにさえ感じられた。
「きっと、トーコは気づいてなかったよな。俺のすぐ目の前で、バッカスに口説かれて、色目を使う姿なんか見せつけられて⋯⋯本当は嫉妬に狂いそうだったことなんて」
「うそ⋯⋯全然、そうは見えなかったわよ?」
「だけど、今までに一度だって、そんな言動はなかったじゃない。ジローのほうこそ、あの夏のことなんて、もうとっくに忘れてると思ってたのよ」
私の腕をつかんだままの手からは、何故か熱を感じる。
その手の熱さは、私のことを離したくないという叫びにさえ感じられた。
「きっと、トーコは気づいてなかったよな。俺のすぐ目の前で、バッカスに口説かれて、色目を使う姿なんか見せつけられて⋯⋯本当は嫉妬に狂いそうだったことなんて」
「うそ⋯⋯全然、そうは見えなかったわよ?」