素直になれないふたり
「それは、必死で隠してたから。更に言えば、バッカスと付き合うって宣言された時、どれだけショックだったと思う?だけど、嘘をついた俺には、邪魔する資格もない。昔の負い目がなければ、なりふり構わず止めたかった。あれから、また会えなくなったし、もう完全に俺には可能性がなくなったと思ったよ。それでも、まだ諦めきれなくてさ⋯⋯」
「もしかして、私がフラれた日に、部屋まで来たのって⋯⋯?」
「フラれたっていうのは偶然だったけど、部屋を訪ねたのは、どんな理由をつけてでも会いたかった。それだけのことだよ」
なんだか、まだ信じられない気分だ。
「トーコ。今さら、どの面下げて⋯⋯と思われるのも無理はない。だけど、ちゃんと言わせてほしいんだ。初めて会った日から、今もずっと好きだってことだけは」
精悍な顔立ちで、常にしっかり者のジローが、今はまるで幼い少年のように見える。
「もしかして、私がフラれた日に、部屋まで来たのって⋯⋯?」
「フラれたっていうのは偶然だったけど、部屋を訪ねたのは、どんな理由をつけてでも会いたかった。それだけのことだよ」
なんだか、まだ信じられない気分だ。
「トーコ。今さら、どの面下げて⋯⋯と思われるのも無理はない。だけど、ちゃんと言わせてほしいんだ。初めて会った日から、今もずっと好きだってことだけは」
精悍な顔立ちで、常にしっかり者のジローが、今はまるで幼い少年のように見える。