フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「グリムオース以外の森には魔物がいます。でも、グリムオースには魔物がいない。魔物が寄り付かない場所には、魔物より危険なものがいると教わるのです」

 私も幼い頃、繰り返し教わったわ。今でも思い出すと身震いしてしまうくらいには、恐怖を感じる。

 無意識のうちにドレスをきつく握りしめていたことを、エドワード様が優しく手を重ねたことで気付いた。

「心配することはない。もし連れ去る悪魔がいたとしても、私が君たちを守る」

 優しい微笑みが向けられると、パサージュで交わした会話が脳裏をよぎった。

 あの時、エドワード様はデズモンドを頼もしい国だといってくれたわ。そう思ってくださっているのに、そこで生まれ育った私がエドワード様を頼ってばかりなのは、どうなのかしら。

 私も、国と同じように頼もしいと思われないと。だって、フェルナンドの薔薇として彼に嫁いだのよ。

 煉獄の悪魔に怯えてばかりでは、それこそただのお飾り妃だわ。

「……守られてばかりは嫌です」
「ん?」
< 102 / 275 >

この作品をシェア

pagetop