フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
そうしている内に、馬車が止まった。
エドワード様に手を引かれて降り立ったのは、鬱蒼と木々が生い茂るグリムオースの入り口。
森は特に柵が張り捲らされることもなく、誰でも入れそうに見えた。だけど、その一角にあった二本の石柱が、まるで別世界への入り口のように厳かな空気をまとっている。
「リリアナ、疲れてはいないかい?」
「大丈夫です。デズモンドからの馬車に比べたら、それほどの距離ではありません」
「頼もしいな。それでは行こうか」
差し出されたエドワード様の手に指を添えると、しっかりと握りしめられた。
手を引かれて進む私の後ろにはデイジーとローレンス、それに若い護衛騎士が三名いる。
「騎士の方々は、全員いらっしゃらないのですね?」
「外からの守りも必要だからな」
「……外、ですか?」
「悪魔が森の中にいるとは限らないだろ?」
エドワード様はおかしなことをいう。森にいなければ、グリムオースの悪魔とはいえないわ。
エドワード様に手を引かれて降り立ったのは、鬱蒼と木々が生い茂るグリムオースの入り口。
森は特に柵が張り捲らされることもなく、誰でも入れそうに見えた。だけど、その一角にあった二本の石柱が、まるで別世界への入り口のように厳かな空気をまとっている。
「リリアナ、疲れてはいないかい?」
「大丈夫です。デズモンドからの馬車に比べたら、それほどの距離ではありません」
「頼もしいな。それでは行こうか」
差し出されたエドワード様の手に指を添えると、しっかりと握りしめられた。
手を引かれて進む私の後ろにはデイジーとローレンス、それに若い護衛騎士が三名いる。
「騎士の方々は、全員いらっしゃらないのですね?」
「外からの守りも必要だからな」
「……外、ですか?」
「悪魔が森の中にいるとは限らないだろ?」
エドワード様はおかしなことをいう。森にいなければ、グリムオースの悪魔とはいえないわ。