フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「どうかしたかい、リリアナ?」
「……木の葉が揺れただけのようです」
「ああ。今日は風があるからな」
「風……そうですよね。風に揺れただけですよね」
「悪魔がやって来たと思ったか?」
少しだけからかうような顔をしたエドワード様だったけど、すぐに表情を引き締める。そうして、私の肩を抱きしめると「大丈夫、ここに魔物はいないよ」と耳元で囁いた。
どきりとした。
私が魔物に怯えたと、どうしてわかったのか。
「デズモンドの森とは違う。そう、身構えて進むことはない」
再び風が吹き抜け、はらりはらりと小さな葉が落ちてきた。それが私の髪に落ち、エドワード様はそっと摘まんだ。
「……本当に魔物がいない森があるんですね」
「支柱の間を通って来ただろう。森の周辺に何本も打ち込まれたあれが、結界の要となっているんだ」
「それが、魔物が入り込めない訳なのですね」
「……木の葉が揺れただけのようです」
「ああ。今日は風があるからな」
「風……そうですよね。風に揺れただけですよね」
「悪魔がやって来たと思ったか?」
少しだけからかうような顔をしたエドワード様だったけど、すぐに表情を引き締める。そうして、私の肩を抱きしめると「大丈夫、ここに魔物はいないよ」と耳元で囁いた。
どきりとした。
私が魔物に怯えたと、どうしてわかったのか。
「デズモンドの森とは違う。そう、身構えて進むことはない」
再び風が吹き抜け、はらりはらりと小さな葉が落ちてきた。それが私の髪に落ち、エドワード様はそっと摘まんだ。
「……本当に魔物がいない森があるんですね」
「支柱の間を通って来ただろう。森の周辺に何本も打ち込まれたあれが、結界の要となっているんだ」
「それが、魔物が入り込めない訳なのですね」