フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
指先の震えが止まらない。私は、恐怖を感じているの?
硬直していると、私のウエストにエドワード様の手がそっと回された。
何事かと思って顔を上げた先には、ロベルト様を真っすぐに見る真摯な瞳があった。それを、陛下が静かに頷き返したような気がした。
「リリアナも長旅で疲れていると思います。今夜の宴は欠席させて頂いても、よろしいでしょうか」
「そうだな。こちらの生活になれるのも時間がかかろう。無理をすることはない」
「ご配慮、ありがたく存じます。では、失礼いたします、兄上」
ロベルト様へ一礼したエドワード様に促され、淑女の挨拶をして退出しようとした時だった。小さく、くすりと笑い声が聞こえてきた。
それはヴィアトリス様のものだったのか。
確かめることが出来ないまま、私は謁見の間を後にした。
硬直していると、私のウエストにエドワード様の手がそっと回された。
何事かと思って顔を上げた先には、ロベルト様を真っすぐに見る真摯な瞳があった。それを、陛下が静かに頷き返したような気がした。
「リリアナも長旅で疲れていると思います。今夜の宴は欠席させて頂いても、よろしいでしょうか」
「そうだな。こちらの生活になれるのも時間がかかろう。無理をすることはない」
「ご配慮、ありがたく存じます。では、失礼いたします、兄上」
ロベルト様へ一礼したエドワード様に促され、淑女の挨拶をして退出しようとした時だった。小さく、くすりと笑い声が聞こえてきた。
それはヴィアトリス様のものだったのか。
確かめることが出来ないまま、私は謁見の間を後にした。