フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
驚きに声を震わせると、エドワード様はまた苦しそうに顔を歪ませた。
「エリザとの結婚は政略結婚だったと話しただろう?」
「はい。ですがそれは、王家の婚姻となればごく普通のことかと」
「ああ。私とリリアナもそうだな」
エリザ様の事故死については、ずっと引っ掛かっていた。
エドワード様は彼女を愛していなかったとも、離縁を考えていたともいっていた。王家ともなれば、離縁をするなんてそう簡単じゃないのに、どうしてそれでも結婚したのか。
知らなければならない。
これからエドワード様と歩むのに、彼女の亡霊にいつまでも怯えるわけにもいかないのだから。
「……それとエリザ様の事故死に、なんの関係があるのですか?」
意を決して尋ねれば、エドワード様は一度、瞳を閉ざすと深く息を吸う。おもむろに開かれた瞳には、揺らがない光が見えた。
「エリザは、塔から転落したんだ」
「転落……?」
ぞくりと背筋が震えた。
塔から落ちるだなんてあるのかしら。窓枠が外れたの? そもそも、王弟の妃が一人で出歩くなんて……
「エリザとの結婚は政略結婚だったと話しただろう?」
「はい。ですがそれは、王家の婚姻となればごく普通のことかと」
「ああ。私とリリアナもそうだな」
エリザ様の事故死については、ずっと引っ掛かっていた。
エドワード様は彼女を愛していなかったとも、離縁を考えていたともいっていた。王家ともなれば、離縁をするなんてそう簡単じゃないのに、どうしてそれでも結婚したのか。
知らなければならない。
これからエドワード様と歩むのに、彼女の亡霊にいつまでも怯えるわけにもいかないのだから。
「……それとエリザ様の事故死に、なんの関係があるのですか?」
意を決して尋ねれば、エドワード様は一度、瞳を閉ざすと深く息を吸う。おもむろに開かれた瞳には、揺らがない光が見えた。
「エリザは、塔から転落したんだ」
「転落……?」
ぞくりと背筋が震えた。
塔から落ちるだなんてあるのかしら。窓枠が外れたの? そもそも、王弟の妃が一人で出歩くなんて……