フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 考えるにつれ、嫌な想像が脳裏をかすめる。
 事故などではなく自死、あるいは何者かに突き落とされたのではと。

「エリザは、王妃の罪を暴くため、私に協力する侯爵の娘だった。全てが整ったら、離縁をする約束での婚姻だったんだ」
「それはつまり……」
「ああ、君と同じく、王妃に接近するために、協力してくれていた」

 淡々と明かされる事実に、胸が苦しくなった。
 エリザ様は、私と同じことをしようとしていたのね。それも、国に恋人を残して。

「……エドワード様は、エリザ様が何者かに突き落とされたと、お考えですか?」

 例えば王妃自ら、あるいは王妃の息がかかった者の手で。
 そう言葉にせずとも、エドワード様にそうと伝わったのだろう。その端正な眉が顰められ、彼は静かに頷いた。

「確証はない。だが、おそらくは……」

 エドワード様の瞳が一瞬ゆれた。

 シナリオ通りにことが運ばず、エリザ様を死なせてしまったと、エドワード様は後悔を抱いて五年間生きてきたのね。

「この事を、エリザ様のご両親はご存じなのですか?」
「ああ……必ず、真相を突き止めると約束した」
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