フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「しばらく、サフィアには暇をやったが、私が君を娶ると聞き戻って来たんだ。君を、エリザと同じ目に合わせたくはないと」
「そうでしたか」
「サフィアも味方だ。そして──」
 
 エドワード様の視線が、傍らで微動だにせず控えているローレンスに向けられた。いつも静かにたたずむ彼の瞳は今、悲しみと怒りが滲んでいる。

「ローレンスは、エリザの兄だ」
「……え?」
「この五年、私の護衛騎士として側にいるが、エリザの死の真相を探る手助けもしてくれている」

 紹介され、一礼したローレンスは小さく息をつく。

「ローレンス、これからも頼むぞ」
「お任せください。リリアナ様を妹のような目には、決して合わせません。必ずや、お守りします」
「それと、デイジー」
「は、はい!」

 黙って控えていたデイジーは、突然、言葉をかけられたことに驚いて目を丸くしながらも、背筋を伸ばした。

「君にも協力して欲しい。今後、王妃がリリアナと接触することになるだろう。サフィアと協力して、リリアナを守って欲しい。なにかあれば、ローレンスに報告を頼む」
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