フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~

第12話 魔族令嬢は、王弟殿下とお茶を楽しむ

 城に戻ってから、初めてのお茶会を開催する準備が進められた。
 開催の名目は、私たちの結婚お披露目を行う夜会前に、エドワード様と親しい諸侯の令嬢と交流を持つことだ。

 エドワード様と親しいということは、つまり、反王妃の一派ともいえる。仲良くならない手はないわ。

「案内状、エドワード様が出されたのですか!?」
「リリアナ、そう声を荒げるのは、はしたないよ」
 
 お茶会の練習と称した午後のティータイムで、カップを持ったまま叫ぶ私を、エドワード様が笑顔で窘めた。

「今回は大した人数でもないからね。リリアナは、ダンスに妃教育にと忙しいだろう?」
「エドワード様も、執務がお忙しいではありませんか」
「そうだが、今回は私が君を紹介するという体にしたからな」
「……次は、私が案内状を出します」
「ははっ、頼むよ」

 笑って誤魔化すエドワード様は、ふと扉の方へと視線を向けた。その直後、扉がノックされてサフィアが数名の侍女を連れてきた。

「リリアナ様、ドレスをお持ちしました」
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