フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 ◇

 お茶会の日、王宮の庭園は花と笑顔で溢れていた。
 エドワード様に手を引かれ、白いベンチに座る招待客へとあいさつをする。真っ先に紹介されたのは、一番年長だろう夫人だった。

 穏やかな微笑みを称えるその夫人が、落ち着きある緑のドレスを揺らして立つと、他の招待客も次々に席を立った。

「エドワード殿下。本日は、お招きいただきありがとうございます」
「ベルフィオレ公爵夫人、よく来てくださいました。妃のリリアナです」
「お初にお目にかかります、ベルフィオレ公爵夫人」

 ベルフィオレ公爵夫人に挨拶をすると「まあ、可愛らしいお姫様だこと」と微笑まれた。

「リリアナ。ベルフィオレ公爵夫人は、私の母の従妹に当たる。慈善活動家でもあり、とても頼りになる方だ」
「まあまあ、そんな褒めてもなにも出ませんよ、殿下。リリアナ様、困ったことがありましたら、いつでも頼って下さいね。殿方では頼りにならないことも多いですからね」

 穏やかなベルフィオレ公爵夫人の微笑みは、暖かな春の木漏れ日のようだった。
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