フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「無理はしないでくれよ」
「わかっています」
でも、ヴィアトリス王妃のテリトリーへと飛び込まなければ、きっと、真実はわからない。
胸のブローチにそっと手を重ねると、エドワード様は私の肩を抱きしめた。
エドワード様の大きな胸に頬を寄せれば、すっぽりと包み込まれる。感じる温もりと鼓動に安堵しながら、先程の会話を思い出した。
「……エドワード様。エリザ様と仲良くされなかったのは、ヴィアトリス王妃に近づくためだったのですか?」
「ああ。今思えば、なんて酷いことをしたのだろうな」
「私とも、そうすれば──」
「なにをいうんだ!」
突然声を荒げたエドワード様に驚き、顔を上げようとしたが、強く抱きしめられてそれは叶わなかった。
「……エドワード様?」
「あの頃は若かった……国を守ることしか考えていなかった」
「それは、王族として当然のこと」
「当然なんかじゃない。目の前の女性一人守れない……そんな酷い男に、リリアナは未来を託せるか?」
痛いほど締め付けられていた肩が、ふっと軽くなった。
「わかっています」
でも、ヴィアトリス王妃のテリトリーへと飛び込まなければ、きっと、真実はわからない。
胸のブローチにそっと手を重ねると、エドワード様は私の肩を抱きしめた。
エドワード様の大きな胸に頬を寄せれば、すっぽりと包み込まれる。感じる温もりと鼓動に安堵しながら、先程の会話を思い出した。
「……エドワード様。エリザ様と仲良くされなかったのは、ヴィアトリス王妃に近づくためだったのですか?」
「ああ。今思えば、なんて酷いことをしたのだろうな」
「私とも、そうすれば──」
「なにをいうんだ!」
突然声を荒げたエドワード様に驚き、顔を上げようとしたが、強く抱きしめられてそれは叶わなかった。
「……エドワード様?」
「あの頃は若かった……国を守ることしか考えていなかった」
「それは、王族として当然のこと」
「当然なんかじゃない。目の前の女性一人守れない……そんな酷い男に、リリアナは未来を託せるか?」
痛いほど締め付けられていた肩が、ふっと軽くなった。